一片付ひとかたづき)” の例文
津田のあくあさ眼をましたのはいつもよりずっと遅かった。家のなかはもう一片付ひとかたづきかたづいた後のようにひっそりかんとしていた。
明暗 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
すると葬式も済み、待夜たいやも済んで、まず一片付ひとかたづきというところへ一人の女が尋ねて来た。三番目の兄が出て応接して見ると、その女は彼にこんな事をいた。
硝子戸の中 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)