一挫ひとひし)” の例文
同時にオオッと、栴檀刀を大上段にかぶった河内房は、柄頭つかがしら兜巾ときんの辺りに止め、熒々けいけいたる双眼を新九郎の手元へあつめて、両腕の円のうちから隙もあらばただ一挫ひとひしぎにとにじり寄った。
剣難女難 (新字新仮名) / 吉川英治(著)