一房ひとふさ)” の例文
一房ひとふさの西洋葡萄をもぎって、しくしくと泣きつづけていた僕のひざの上にそれをおいて静かに部屋を出て行きなさいました。
一房の葡萄 (新字新仮名) / 有島武郎(著)
余は夏蜜柑なつみかんの皮をいて、一房ひとふさごとに裂いてはみ、裂いては噛んで、あてどもなくさまようていると、いつのにやら幅一間ぐらいの小路しょうじに出た。
京に着ける夕 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
一房ひとふさの葡萄のごとし
藤村詩抄:島崎藤村自選 (旧字旧仮名) / 島崎藤村(著)
一房ひとふさしぼっては、文芸倶楽部ぶんげいくらぶの芸者の写真を一枚はぐり、一房しぼっては一枚はぐる。芸者の絵が尽きた時、彼はコップの中をさじき廻して妙な顔をしている。
野分 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)