宿屋の亭主のなさけを受けて今の始末、もとより悪性あくしょうのお國ゆえたちまち思うよう、此の人は一代身上いちだいじんしょう俄分限にわかぶげんに相違なし、此の人の云う事を聞いたなら悪い事もあるまいと得心したる故