“らんぺき”の漢字の書き方と例文
語句割合
藍碧100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
この色が、紫に、緑に、紺青こんじょうに、藍碧らんぺきに波を射て、太平洋へ月夜のにじを敷いたのであろうも計られません
草迷宮 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
それは延宝七年の春の二時やつすぎであった。前は一望さえぎる物もない藍碧らんぺきの海で、其の海の彼方かなたから寄せて来る波は、どんと大きな音をして堰堤に衝突とともに、雪のような飛沫をあげていた。
海神に祈る (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
その日一天うららかに空の色も水の色も青く澄みて、軟風おもむろに小波ささなみわたる淵の上には、塵一葉ちりひとはうかべるあらで、白き鳥の翼広きがゆたかに藍碧らんぺきなる水面を横ぎりて舞えり。
竜潭譚 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)