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よびあつ
七兵衛が駐在所へ
駈付ける間に、市郎は
家中の者を
呼集めて、右の始末を慌しく云い聞かせると、一同は眼を
瞠って
駭いた。何しろ一刻も早く
捜査に出ろと身支度する処へ、塚田巡査も
出張した。
殘らず
呼集め次右衞門三五郎正座に
直り
座傍には
寺社奉行并びに遠藤喜助小林軍次郎等
列座にて一人々々に
呼出し澤の井の宿を
吟味に及ぶも名主を
加へけれども
驗しなきゆゑ茂兵衞の
枕元へ金屋利兵衞を
始め家内
殘らず
呼集め
我此度の
病氣全快覺束なし因て江戸の
得意を利兵衞殿へ
預け申なり
悴吉三郎
成人迄何卒我が
得意先を