“ひきむし”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
引挘54.5%
引毮45.5%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
まさか君はあの三人をわしから引挘ひきむしって行って、一と儲けをたくらむような、そんなことはあるまいね、——洋子たちは此処で充分幸福なのだ、そっとして置いてやってくれたまえ、それに
植物人間 (新字新仮名) / 蘭郁二郎(著)
這奴しゃつ等が群り居た、土間の雨に、引挘ひきむしられたきぬあやを、驚破すわや、蹂躙ふみにじられた美しいひとかと見ると、帯ばかり、扱帯しごきばかり、花片はなびらばかり、葉ばかりぞ乱れたる。
陽炎座 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
女の前髮は掴んで引毮ひきむしられたやうで目茶滅茶に崩れて居りますが、外に傷らしいものは一つもありません。
あっと見た刹那! 三樹八郎は右へ躰を開いていたし、湛左は、斬下した躰勢たいせいのまま、だっと床間へのめって行って、掛軸を右手に引毮ひきむしりながら、まるで雑布巾ぞうきんのように崩落ちる。
武道宵節句 (新字新仮名) / 山本周五郎(著)