“にじみで”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
滲出75.0%
入染出25.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
私はジッと見詰めているうちに、握りしめたや脇の下からネトネトとした脂汗が滲出にじみで、眼も頭も眩暈くらみそうな心の動揺に、どうしてもその部屋を抜出さずにはいられなかった。
腐った蜉蝣 (新字新仮名) / 蘭郁二郎(著)
が、今は陽も既に落ちて、うすら明りの中に、薄墨を流したような、ひだを持った海が、ふっくらとたたえられ、空には早くも滲出にじみでた星が、次第にうるみを拭ってキラキラと輝きはじめていた。
腐った蜉蝣 (新字新仮名) / 蘭郁二郎(著)
帰つてからの手紙には、用心ぶかい捨三も返辞を書かずにはゐられないほど、環境と妥協しがたい彼女の悩みが入染出にじみでてゐた。
質物 (新字旧仮名) / 徳田秋声(著)