“とうじんぶえ”の漢字の書き方と例文
語句割合
唐人笛100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
貧しい町を通って、黒いひげの生えた飴屋あめやに逢った。飴屋は高い石垣の下で唐人笛とうじんぶえを吹いていた。その辺は停車場に近い裏町だ。私が学校の往還ゆきかえりによく通るところだ。
千曲川のスケッチ (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
自分は片手片足がかなくなってから、女房とも相談して飴屋あめやになった。が、ただ唐人笛とうじんぶえを吹いてひょこりひょこり歩いてるのでは、どんな鼻垂はなたれ小僧でも買ってくれようはずがなかった。
猫八 (新字新仮名) / 岩野泡鳴(著)
あとはひっそりして、シュウマイ屋の唐人笛とうじんぶえが高く低く、夜風にわななくような悲しい余韻を長く長くいて、横町から横町へと闇の奥へ消えて行きます。どこやらで赤児あかごの泣く声も聞えます。
二階から (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)