“ておも”の漢字の書き方と例文
語句割合
手重100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
可成かな手重ておもくて二月ふたつきばかり隔離室かくりしつに寝ていた後のこと、若い軍医が、『大佐殿のチブスには症状しょうじょうに特別のところがありましたから、実はお案じ申上げて居りました』
親鳥子鳥 (新字新仮名) / 佐々木邦(著)
廻したから、幸ひおぼれ死ぬのは助かつた。それに夜半過ぎからは引潮で、見付けた時は、顏だけでも水の上に出てゐたさうだ。運がよかつたのだな——尤も撲たれた頭の傷は少し手重ておもだが——
彼はやむをえなければ、お延の忠告通り、もう一返父に手紙を出して事情を訴えるよりほかに仕方がないと思った。それには今の病気を、少し手重ておもに書くのが得策だろうとも考えた。
明暗 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)