“せつたう”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:セツタウ
語句割合
窃盜42.9%
窃盗14.3%
竊盗14.3%
竊盜14.3%
節刀14.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
一時海道筋から江戸へかけて、惡名をうたはれた窃盜せつたうの名人、それは鼬と異名を放つた七助の成れの果てだつたのです。
刑法が言ふ所の窃盗せつたう、彼は児戯じぎです、神の見給ふ窃盗とはすなはち、今日の社会がもつとも尊敬して居る法律と愛国心です、所有権の神聖、兵役の義務、足れ皆な窃盗掠奪の符調に過ぎないのです
火の柱 (新字旧仮名) / 木下尚江(著)
が、これをしも「竊盗せつたうノ性アリ」と云ふならば、犬は風俗壊乱の性あり、燕は家宅侵入の性あり、蛇は脅迫けふはくの性あり、てふは浮浪の性あり、さめは殺人の性ありと云つても差支さしつかへない道理であらう。
澄江堂雑記 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
ことの起原おこりといふのは、醉漢ゑひどれでも、喧嘩けんくわでもない、意趣斬いしゆぎりでも、竊盜せつたうでも、掏賊すりでもない。むつツばかりの可愛かはいいのが迷兒まひごになつた。
迷子 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
忠文は命を受けた時、まさに食事をしてゐたが、命を聞くと即時にはしを投じて起つて、節刀せつたうを受くるに及んで家に帰らずに発したといふ。なまぬるい人のみ多かつた当時には立派な人だつた。
平将門 (新字旧仮名) / 幸田露伴(著)