“せっくつ”の漢字の書き方と例文
語句割合
石窟100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
うさぎは弱い動物だ。その耳はやむ時なき猜疑さいぎに震えている。彼は頑丈がんじょう石窟せっくつに身を託する事も、幽邃ゆうすいな深林にその住居を構えることも出来ない。彼は小さなやぶの中に彼らしい穴を掘る。
惜みなく愛は奪う (新字新仮名) / 有島武郎(著)
仔細しさいを申せば、大唐だいとうの開山洞玄とうげん国師このかた、代々の老祖大仙たいせんが、魔ものを捕りおさえては、この石窟せっくつへ封じ込めおかれたもので、みだりに開くことはなりません
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「開かずの門か」と、こうはずかずか歩き出した。なにか、抵抗を感じたらしく見える。仰げば大絶壁。そこのすそをくりぬいた石窟せっくつなのだ。近づいてみると、かたわらの石柱いしばしらには
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)