“しうさん”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
秋蚕66.7%
秀三33.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
今次の応召家族の間には、はき立てた秋蚕しうさんを棄てた家もあつた。秋の穫入とりいれを老母と、産後の病妻とに託さねばならなかつた人もあつた。
野に蕭殺の兆ありて客心を痛ましめ、夜頃を宿のほとりに、我は秋蚕しうさんの匂ひあるなかをさまよひぬ。また室に帰りて怠りて弓臥するに、時はなほ衣手のうすきを喞つに早けれども——。
測量船 (新字旧仮名) / 三好達治(著)
猫を葬つた壬寅の歳には神田松坂町の流行医塩田秀三しうさんの養子になつて、子良三りやうさんをもまうけてゐた。年は既に三十六歳、榛軒よりわかきこと三歳であつた。
伊沢蘭軒 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
塩田しんは既に屡此伝記に出でた人物である。祖父は小林玄端げんたん、父は玄瑞げんずゐであつた。玄瑞は出羽国山形より江戸に来て蘭門に入り、塩田秀三しうさんの家を継ぎ、楊庵と改称した。
伊沢蘭軒 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)