“さんさん”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
燦々58.2%
潸々13.4%
毿々10.4%
珊々6.0%
惨々3.0%
潜々3.0%
摻摻1.5%
珊珊1.5%
粲々1.5%
鬖々1.5%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
郭中かくちゅうは一面燦々さんさんたる燈燭である。中央のひろい一殿に、彼はしょうじられた。しかし彼は、椅子いすらず、宋江を見ると、下に坐って
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
私はその不幸の子の為に、今こそ潸々さんさんと涙を注ぎます。可哀そうな子供、父の愛を少しも味わないで、淋しく死んで行った子。本当に哀れな子でした。
血液型殺人事件 (新字新仮名) / 甲賀三郎(著)
その人はよはひ三十六七と見えて、形癯かたちやせたりとにはあらねど、寒樹の夕空にりて孤なる風情ふぜいひとり負ふ気無げなうるはしくも富める髭髯ひげは、下にはあたりまで毿々さんさんと垂れて
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
「城中蛾眉ノ女、珠珮珂しゅはいか珊々さんさんタリ、鸚鵡おうむヲ花前ニ弄シ、琵琶ヲ月下ニ弾ズル境へ。……殿にはどこへ行かれます?」
任侠二刀流 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
惨々さんさん幽々ゆうゆう、なにか霊壇れいだんを吹きめぐる形なきものが鬼哭きこくしてでもいるようだ……
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
阿兄あけい 何ぞ必ずしも 涙潜々さんさんたらむ
運命 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
玉手摻摻酒幾巡 玉手ぎょくしゅ摻摻さんさんとしてさけ幾たびかめぐ
矢はずぐさ (新字旧仮名) / 永井荷風(著)
珊珊さんさん、お客さんに御挨拶にくるがいいよ」
虎媛 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
疲労の足を引きって、石壁の上に登りついたとき、眼は先ず晶々粲々さんさんとして、碧空に輝きわたる大雪田、海抜三千百八十九米突メートルの高頂から放射して、細胞のような小粒の雪が、半ば結晶し
白峰山脈縦断記 (新字新仮名) / 小島烏水(著)
岸から打ち上げる目標の烽火のろしが紫だって暗黒な空の中でぱっとはじけると、鬖々さんさんとして火花を散らしながらやみの中に消えて行く。
生まれいずる悩み (新字新仮名) / 有島武郎(著)