“さうくわう”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
倉皇60.0%
愴惶10.0%
愴慌10.0%
蒼惶10.0%
裝潢10.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
すると須世理姫と葦原醜男とが、まるでねぐらを荒らされた、二羽のむつまじい小鳥のやうに、倉皇さうくわう菅畳すがだたみから身を起した。
老いたる素戔嗚尊 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
さうしてさう答へたのにホツと安心した一息をもらして、漢書の金を受け取ると、又その鋳物を懐ろにして愴惶さうくわうと店を出た。
吾家ではあんなに凄じい饒舌家であるにも関はらず、その時だつて、田舎空気には半日も落ついては居られずに妙に遠慮深くそわ/\として愴慌さうくわうと引きあげてしまつたものである。
小川の流れ (新字旧仮名) / 牧野信一(著)
その時に、彼は自分よりも先きに、先刻さつきの老婆が蒼惶さうくわうとして、飛び付くやうに、その空いた座席に縋り付いて居るのを見たのである。
我鬼 (新字旧仮名) / 菊池寛(著)
裝潢さうくわうにはあふひの紋のあるにしきが用ゐてある。享保三年に八十三歳で、目黒村の草菴さうあんに於て祐天のじやくしたのは、島の歿した享保十一年に先つこと僅に八年である。
寿阿弥の手紙 (旧字旧仮名) / 森鴎外(著)