“こぶやま”の漢字の書き方と例文
語句割合
瘤山100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
ひとりうなずいた甲賀世阿弥は、ふすまに使っている鹿の毛皮をとりだし、また、瘤山こぶやまくぼみへ下りて、手ごろなしのを切ってきた。
鳴門秘帖:03 木曾の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
咲き乱れている山神の錫杖しゃくじょう、身を隠すばかりな茅萱ちがやなどの間をザクザクとかき分けて、やがて小高い瘤山こぶやまの洞窟へ這い寄った四人——。
鳴門秘帖:05 剣山の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
山牢のある瘤山こぶやますそは、のぞだき深潭しんたんから穴吹あなふきの渓谷へ落ちてゆく流れと、十数丁にあまるさくが、そこの地域を囲っている。
鳴門秘帖:05 剣山の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
瘤山こぶやまの下の高原の道には、もう西と東から行きう旅人の影が、蟻のように見下ろされる。
宮本武蔵:06 空の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
なぜかといえば、つるぎ山のぞき滝の深潭しんたんから穴吹川あなふきがわへ落ちてゆく激流が、とうとうと飛沫ひまつを散らしている上に、その岩壁に添って、瘤山こぶやまの瀬をグルリとさくでめぐらしてあるからである。
鳴門秘帖:03 木曾の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
森をぬけて断崖に出で、藤蔓ふじづるにすがりながら瘤山こぶやますそへ戻ってきた。
鳴門秘帖:03 木曾の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)