“けは”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
35.5%
22.6%
14.5%
気配8.1%
6.5%
毛生4.8%
化粧3.2%
気勢1.6%
気合1.6%
気色1.6%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
荒い海とけはしい山とが激しくみ合つて、その間で人間が微小にしかし賢明に生きて居る一小市街の傍を、大きな急流の川が
總體にお人形のやうに整つた顏は、少しけはしげではありますが、打ち解けた優しい言葉遣ひと共に、八五郎をタジタジとさせるには充分でした。
「あなたは妾に信頼して下さらない。」と細い声で云つてきつと口をつぐんだ。道助は少しけはしい眼つきをした。
静物 (新字旧仮名) / 十一谷義三郎(著)
水泳は、ずっと前から自分でも禁じて居る。今日にかぎって泳ぐわけも無いのだが赫子も麻川氏も先刻からむしろ主人を先頭に泳がせ度い気配けはいが見える。
鶴は病みき (新字新仮名) / 岡本かの子(著)
針木嶺、白馬嶽、焼嶽、鎗が嶽、または乗鞍嶽のりくらがたけ、蝶が嶽、其他多くの山獄のけはしくきそひ立つのは其処だ。梓川、大白川なぞの源を発するのは其処だ。雷鳥の寂しく飛びかふといふのは其処だ。
破戒 (新字旧仮名) / 島崎藤村(著)
お宗さんは地肌のいた頭へいろいろの毛生けはえ薬をなすつたりした。
素描三題 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
女といふものは化粧けはひや身装みなりで別人のやうになるものだとはきいたこともあるが、こんなにも変り栄えのするものか! と森野は沁々感心させられてしまつた。
街角 (新字旧仮名) / 牧野信一(著)
そして人の気勢けはひの無いことを見定めると彼女は矢張り百日紅の枝が伸びてゐる塀を越えるのだが表側からだと脚場がないので僕の肩車を借さなければならなかつた。
女優 (新字旧仮名) / 牧野信一(著)
和やかな初夏の海辺には微風そよかぜ気合けはひも感ぜられなかつた。呑気な学生が四五人、砂浜に寝転んでとりとめもなく騒々しい雑談に花を咲かせてゐた。
まぼろし (新字旧仮名) / 牧野信一(著)
幸ひ彼は醒めた気色けはひもなく、新聞紙はぴつたりと顔に吸ひついたまゝで音もなく、たゞ腹の上のインク瓶が微かに浮いたり沈んだりしてゐるだけだつた。