“くうかつ”の漢字の書き方と例文
語句割合
空濶100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
案内の市川君がうずらですと云ったので始めてそうかと気がついたくらい早く、鶉は眼をかすめて、空濶くうかつうちに消えてしまった。そのあとを見上げると、はるかなる大きい鏡である。
満韓ところどころ (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
その範疇を打開することが修業の第一歩であろう、頭の中からまず学問を叩き出すがよい、跼蹐きょくせきたる壺中こちゅうからとびだして、空濶くうかつたる大世界へ心を放つのだ、窓を明けろ……
荒法師 (新字新仮名) / 山本周五郎(著)
空濶くうかつな平野には、麦や桑が青々と伸びて、泥田をかえしている農夫や馬の姿が、所々ところどころに見えた。
あらくれ (新字新仮名) / 徳田秋声(著)