菜の花月夜なのはなづきよ
巨大な高原だ。どこまでも拡がる裾は菜の花で、盛り上つて、三里北の野末に、日本海が霞んで見える。淡彩の青の中に、ポッチリ泛んだのが隠岐の島だ。 菜の花月夜の季節が来た。 「菜の花月夜ぢやけん、今に誰かが狐に騙されるぢやろ」 「助平が一番騙され …