閑談かんだん
私のこれまでに見て来たところでは、芸術をやるものは多くは無であるやうである。無為、無目的、無慾——従つて多くは虚無的傾向を持つてゐる。かれは金にも眼を呉れない。栄華にも心を奪はれない。社会の慣習にもさう多くの注意を払はない。従つて辞令に巧み …