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『浚渫船』
ふりがな文庫
『
浚渫船
(
しゅんせつせん
)
』
私は行李を一つ担いでいた。 その行李の中には、死んだ人間の臓腑のように、「もう役に立たない」ものが、詰っていた。 ゴム長靴の脛だけの部分、アラビアンナイトの粟粒のような活字で埋まった、表紙と本文の半分以上取れた英訳本。坊主の除れたフランスの …
著者
葉山嘉樹
ジャンル
文学 > 日本文学 > 小説 物語
初出
「文芸戦線」1926(大正15)年9月号
文字種別
新字新仮名
読書目安時間
約11分(500文字/分)
朗読目安時間
約18分(300文字/分)
作品に特徴的な語句
団扇
(
うちわ
)
横痃
(
よこね
)
蝶番
(
ちょうつがい
)