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遣繰
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やりく
ふりがな文庫
“
遣繰
(
やりく
)” の例文
一種の金券を職工に渡して
遣繰
(
やりく
)
つてゐるが、それが紙幣類似証券取締法に
牴触
(
ていしよく
)
するといつて
喧
(
やかま
)
しくなつてゐる。
茶話:03 大正六(一九一七)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
どこをどう
遣繰
(
やりく
)
ったか、とにかく金博士始末計画がうまく
軌道
(
きどう
)
にのって動きだしたのは、その年の秋も暮れ、急に寒い北西風が
巷
(
ちまた
)
を吹きだした頃のことである。
戦時旅行鞄:――金博士シリーズ・6――
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
そういったわけでもないですがね、……兄さんには解らんでしょうが、
遣繰
(
やりく
)
り算段一方で商売してるほど苦しいものはないと思いますね。朝から晩まで金の苦労だ。
贋物
(新字新仮名)
/
葛西善蔵
(著)
物の
譬
(
たと
)
えがここにござる、金公などを
御覧
(
ごろう
)
じろ、器用一辺で、あっちへ
遣繰
(
やりく
)
り、こっちへ遣繰り、キュウキュウひど
工面
(
くめん
)
をしながら打っている、それで年中ピーピー苦しみ通しで
大菩薩峠:09 女子と小人の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
偶々
(
たまたま
)
持っていた一
隻
(
せき
)
の汽船が、幸運の緒を
紡
(
つむ
)
いで極端な
遣繰
(
やりく
)
りをして、一隻一隻と買い占めて行った船が、お
伽噺
(
とぎばなし
)
の中の白鳥のように、黄金の卵を、次ぎ次ぎに産んで、わずか三年後の今は
真珠夫人
(新字新仮名)
/
菊池寛
(著)
▼ もっと見る
そして友人の助力などで、とにかく其の古屋に永久落着くことになつて、一時
吻
(
ほつ
)
としたのであつたが、それだけの室数では、
何
(
ど
)
うにも
遣繰
(
やりく
)
りのつかないことが、その後一層彼の
頭脳
(
あたま
)
を悩ました。
風呂桶
(新字旧仮名)
/
徳田秋声
(著)
私はまた私で、何です、なまじ
薄髯
(
うすひげ
)
の生えた意気地のない
兄哥
(
あにい
)
がついているから起って、相応にどうにか
遣繰
(
やりく
)
って
行
(
ゆ
)
かれるだろう、と思うから、
食物
(
くいもの
)
の足りぬ阿母を、世間でも黙って見ている。
女客
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
言ってはいけない、食べるためには、釜よりは米がさきだぜ、米が有っても釜がないという時には、何とか
遣繰
(
やりく
)
りはつくだろうが、釜がこの通りグラグラ沸き出しているのに、米がないでは、食べて行けないじゃないか
大菩薩峠:41 椰子林の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
遣
常用漢字
中学
部首:⾡
13画
繰
常用漢字
中学
部首:⽷
19画
“遣繰”で始まる語句
遣繰り
遣繰仕事
遣繰身上