白沫しらあわ)” の例文
山すその岩壁に打ちつけた波は、煮えくりかえった熱湯をぶちつけたように、湯げのような白沫しらあわを五丈も六丈も高く飛ばして、りを打ちながら海の中にどっとくずれ込む。
生まれいずる悩み (新字新仮名) / 有島武郎(著)
怒濤どとう白沫しらあわ。さっさっと降りしきる雪。目をかすめて飛びかわす雲の霧。自然の大叫喚‥‥そのまっただ中にたよりなくもみさいなまれる君たちの小さな水船‥‥やっぱりそれだけだった。
生まれいずる悩み (新字新仮名) / 有島武郎(著)