此村こゝ)” の例文
此村こゝから東京へ百四十五里、其麽そんな事は知らぬ。東京は仙臺といふ所より遠いか近いかそれも知らぬ。唯明日は東京にゆくのだと許り考へてゐる。
天鵞絨 (旧字旧仮名) / 石川啄木(著)
立つ前にこつそ衣服きものなどを取纒めて、幸ひ此村こゝから盛岡の停車場に行つて驛夫をしてる千太郎といふ人があるから、馬車追の權作老爺に頼んで、豫じめ其千太郎の宅まで屆けて置く。
天鵞絨 (旧字旧仮名) / 石川啄木(著)
日附は昨日の午前六時にしてありますが、昨日の午前六時なら丁度此村こゝから立つて行つた時間ぢやありませんか。そして消印スタンプは今朝の五時から七時迄としてありますよ。矢張今朝○○を
葉書 (旧字旧仮名) / 石川啄木(著)