揚場あげば)” の例文
これは前の太夫さんとは段ちがいで、おなじ旗本と云っても二百石の小身、牛込の揚場あげばに近いところに屋敷をっている今宮六之助という人です。
三浦老人昔話 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
彼らは筑土つくどを下りて、柿の木横町から揚場あげばへ出て、かねてそこの船宿にあつらえておいた屋根船に乗るのである。
硝子戸の中 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
ぐっしょり雨に濡れたお庄は、灯影を避けるようにして、揚場あげばの方へ歩いて行った。
足迹 (新字新仮名) / 徳田秋声(著)
日が暮れる、向の揚場あげばに火がついた。
牧羊神 (旧字旧仮名) / 上田敏(著)
たてり、揚場あげばに——の帶や。
春鳥集 (旧字旧仮名) / 蒲原有明(著)
帰りには、暑さが余りひどかったので、電車で飯田橋へ回って、それから揚場あげば筋違すじかい毘沙門前びしゃもんまえへ出た。
それから (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
帰りには、暑さが余りひどかつたので、電車で飯田橋へまはつて、それから揚場あげば筋違すぢかひ毘沙門前びしやもんまへた。
それから (新字旧仮名) / 夏目漱石(著)
そうして、すぐ揚場あげばの方へ引き返した。
それから (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
さうして、すぐ揚場あげばの方へき返した。
それから (新字旧仮名) / 夏目漱石(著)