麥稈むぎわら)” の例文
新字:麦稈
「いや、たゞ、ぶらつくので。」とばかりまをはせたごとく、麥稈むぎわらをゆりなほして、そこで、ひだり佐賀町さがちやうはうはひつたのであるが。
深川浅景 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
ソーダ水に麥稈むぎわらの管をつけて吸ふこと、同じやうに西洋文明の趣味に屬する。あれは巴里の珈琲店で、若い女と氣の輕い話をしつつ、靜かに時間を樂しんで吸ふべきものだ。
ラムネ・他四編 (旧字旧仮名) / 萩原朔太郎(著)
うしたことか、今年ことし夏帽子なつばうし格安かくやすだつたから、麥稈むぎわらだけはあたらしいのをとゝのへたが、さつとつたら、さそくにふところへねぢまうし、かぜられてはことだと……ちよつと意氣いきにはかぶれない。
深川浅景 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
と、麥稈むぎわらをぬいでかぜれた、あたま禿はげいきどほる。
深川浅景 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)