鬱心うっしん)” の例文
さらぬだに若い孫権、そう励まされなくても、鬱心うっしん勃々ぼつぼつであった孫権。忽ち、その気になって、軍議を会そうとした。
三国志:08 望蜀の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
二の太刀が、寸足らずに、肩から背を浅くぎ落した。然しさっと霧になった血の紅さは、この幾日の間、暗澹あんたんとしていた内匠頭の鬱心うっしんに、ぱっと、紅い花かのように、明るく映った。
新編忠臣蔵 (新字新仮名) / 吉川英治(著)