高麗狗こまいぬ)” の例文
その時の吉の草紙そうしの上には、字が一字も見あたらないで、宮の前の高麗狗こまいぬの顔にも似ていれば、また人間の顔にも似つかわしい三つの顔が書いてあった。
笑われた子 (新字新仮名) / 横光利一(著)
石の階段きざはしは雨風に打たれて弓状ゆみなりに沈み、石の高麗狗こまいぬは二つながらごろりと横倒しになっている。
春日かすがの宮わか葉のなかのむらさきの藤のしたなる石の高麗狗こまいぬ
恋衣 (新字旧仮名) / 山川登美子増田雅子与謝野晶子(著)