韃靼人だったんじん)” の例文
はなしくと、なんでも韃靼人だったんじんむらに、その夫人ふじんと、土地とち某公爵ぼうこうしゃくとのあいだ小説しょうせつがあったとのことだ、とかと。
六号室 (新字新仮名) / アントン・チェーホフ(著)
しかし、毛皮の外套を着た門番、その大きなとがり鼻、長くて薄い、真っ黒な韃靼人だったんじん風のひげをよくよく見ているうち、はいる許可がもらえるまでむしろ待とうと決心した。
審判 (新字新仮名) / フランツ・カフカ(著)
一度はわたしの豆畠を荒らしたヤマネズミをぶち殺すことまでやった——韃靼人だったんじんの言葉を借りていえば彼の転生輪廻てんせいりんねを実施し——半ば実験的な気持で彼をむさぼり喰らった。
韃靼人だったんじんの牧場には馬の群がいなないてゐる。鼻の平つたいコザツク人の住む、カスピアの草原が来る。南ロシア、オオストリア、ドイツ、スイスが来る。そして最後に又フランスが来る。
ビーチャム卿の指揮したプッチーニの『ラ・ボエーム』の第四幕全曲(J八六四五—八、傑作集二五四)とボローディンの『イゴール公』の「韃靼人だったんじんの舞曲」がある(J八六五八—九)。