ぐら)” の例文
島野は一目見て驚いて呆れた。しっくりと西洋ぐら置いたるに胸を張ってまたがったのは、美髯びぜん広額の君ではなく、一個白面の美少年。
黒百合 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
つれて、秘蔵の愛馬に西洋ぐらか何かで松代まつしろから乗り込んで来た時は、京都人は目をそばだてたものでした。
夜明け前:02 第一部下 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
行幸と申しても必ずしもこうではないのであるが、今日は親王がた、高官たちも皆特別に馬ぐらを整えて、随身、馬副男うまぞいおとこ背丈せたけまでもよりそろえ、装束に風流を尽くさせてあった。
源氏物語:29 行幸 (新字新仮名) / 紫式部(著)
娘たちのなかには大好きな恋人のうしろの添えぐらに乗るものもあり、そのたのしげな笑い声がひづめのぱかぱか鳴る音にまじって、しんとした森にこだましたが、それもだんだんかすかになり