集會堂オオヂトリアム)” の例文
集會堂オオヂトリアムの方から、——年とつた外人夫婦が腕を組み合つて、しかしお互に上體を眞直にしたまま、とつとと歩きながらそのコッテエヂの前を通り過ぎて灌木の中に消えていつた。
巣立ち (旧字旧仮名) / 堀辰雄(著)
集會堂オオヂトリアムの裏に拔ける林道をまはつてくると、いままで兩側から灌木に挾まれながらSの字を描いてゐたその細い道が一軒のコッテエヂの前にひらけ、丁度その前でぐつとLのやうに曲つて
巣立ち (旧字旧仮名) / 堀辰雄(著)
それからどちらから言ひ出すともなしに郵便局の角を曲つて、ほほの花のさいた集會堂オオヂトリアムの前を横切りながら、例の小鳥の巣のあるコッテエヂの方へ、彼と彼女はこんな會話をしいしい向つていつた。
巣立ち (旧字旧仮名) / 堀辰雄(著)