陣輿じんごし)” の例文
平井山の牙営がえいから戦線四里にわたる寄手の支営を、黒田官兵衛は、たえず陣輿じんごしに乗って、見廻っていた。
新書太閤記:06 第六分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
と告げ、きのうは陣輿じんごしだったが、今朝は馬上で、風雨の中をもう真ッ先に急いでいた。
新書太閤記:08 第八分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
片脚の傷口はついに有馬の湯でもえきれなかった。終生の跛行びっこになりおわるらしいと彼自身も苦笑している。——で、兵卒に陣輿じんごしになわせ、それに乗って、戦闘中の指揮にもあたっていた。
新書太閤記:06 第六分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
と、手ずから抱いて陣輿じんごしの中へ入れ、自分の膝のあいだに置いて
新書太閤記:08 第八分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
忠家は少年の手をひいて、陣輿じんごしの側へひざまずき
新書太閤記:08 第八分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)