阿部川町あべかわちょう)” の例文
「——あれから間もなくお店を出たんだけど、梶平さんの旦那の世話で、阿部川町あべかわちょうのなんとかいう頭梁とうりょうの家へ住込みではいったそうよ」
柳橋物語 (新字新仮名) / 山本周五郎(著)
さらにいけないことには燕花となってすぐ阿部川町あべかわちょうの寄席と吉原の中鈴木なかすずきという寄席と二軒掛け持ちがついたのですが
初看板 (新字新仮名) / 正岡容(著)
きのう半七に別れてから彼は吉原へ遊びに行ったが、あまり好くも扱われなかったむしゃくしゃ腹で、引け前にくるわを飛び出して、阿部川町あべかわちょうの友達を叩き起して泊めて貰った。
半七捕物帳:17 三河万歳 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
浅草の阿部川町あべかわちょう——この辺は全く、敵持などの住みそうな場所ではなかったのです。