鍛冶町かじまち)” の例文
私は豊前ぶぜん小倉こくらに足掛四年いた。そのはじめの年の十月であった。六月の霖雨りんうの最中に来て借りた鍛冶町かじまちの家で、私は寂しく夏を越したが、まだその夏のなごりがどこやらに残っていて、暖い日が続いた。
二人の友 (新字新仮名) / 森鴎外(著)