“金紗縮緬”の読み方と例文
読み方割合
きんしゃちりめん100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
信一郎は、淡彩に夏草を散らした薄葡萄色うすぶどういろの、金紗縮緬きんしゃちりめんの着物の下に、軽く波打っている彼女の肉体の暖かみをさえ、感じ得るように思った。
真珠夫人 (新字新仮名) / 菊池寛(著)
それから、今引き出した金紗縮緬きんしゃちりめんの長襦袢を取って、それをふわりと肩にまとって、体中をもくもくさせながら、下に着ていたメリンスの方を、するすると殻を脱ぐように畳の上へ落します。
痴人の愛 (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)
長方形の印度更紗いんどさらさをかけたたくがあってそれに支那風しなふう朱塗しゅぬりの大きな椅子いすを五六脚置いたへやがあった。さきに入って往った女は華美はで金紗縮緬きんしゃちりめんの羽織の背を見せながらその椅子の一つに手をやった。
蟇の血 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)