金神こんじん)” の例文
金神こんじん等の方位説を土台とし、これにシナ伝来の五行説を加え、その他、種々の妄説を混入して吉凶禍福を判断することになっておる。
迷信と宗教 (新字新仮名) / 井上円了(著)
吾々の一生を支配している「うしとら金神こんじん」というのは、実にこの「心理遺伝」の原則であるぞよ。今にドエライ証拠を出すぞよ……。
ドグラ・マグラ (新字新仮名) / 夢野久作(著)
その夏から金神こんじん遊行ゆうぎょうが西方へまわるのを忌んだためだが、なおそのほか、かねて築造にかかっていた山邸が、この夏ようやく落成したからでもあった。
うすゆき抄 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
そのまゝ、かれは、手拭と石鹸シャボンを西崎にわたして茶の間へ入った。金神こんじんさまのまえに一寸手を合せ、すぐに長火鉢のまえの、友禅の大きな蒲団のうえにすわった。
春泥 (新字新仮名) / 久保田万太郎(著)
つづいては柳原のひげすり閻魔えんま、それから湯島坂下のまた稲荷いなり、少しく飛びまして本所四ツ目の生き埋め行者、つづいては日本橋本銀町もとかねちょうの白旗金神こんじんなぞ五カ所がまず名の知れたところでござります
「もう少し前へ出ると金神こんじんが待っている」
ちら/\と眼に金神こんじんや秋の風
その一つは金神こんじんであろう。金神とは、日本より南の方、海上三万里を離れて鬼の国がある、その国の王様のことである。
迷信と宗教 (新字新仮名) / 井上円了(著)
わが国は全国東西を通じて、鬼門きもん金神こんじんを恐るることが最もはなはだしい。なかんずく、鬼門は大禁物としてある。
迷信と宗教 (新字新仮名) / 井上円了(著)
大将軍は十二支を四方に配して、年々その方角を定むるものにて、これを俗に三年ふさがりと申しておる。八将神のほかに人の最も恐るるものは金神こんじんである。
迷信解 (新字新仮名) / 井上円了(著)
これより南三万里に国あり。夜叉やしゃ国という。その主を巨旦こたんという。悪鬼神なり。これを金神こんじんという。
迷信解 (新字新仮名) / 井上円了(著)
第七種(暦日編)歳徳としとく金神こんじん八将神はちしょうじん、鬼門、月建げっけん、土公、天一天上、七曜、九曜、六曜、十二運
妖怪学講義:02 緒言 (新字新仮名) / 井上円了(著)