野太のぶと)” の例文
野太のぶとい、よくとおる声だ。もの言うたびに、背中のこぶがヒクヒク動くのは、たしか奇態な動物が、着ものの下にもぐりこんでいるように見える。
丹下左膳:02 こけ猿の巻 (新字新仮名) / 林不忘(著)
と眼をき出してわめく。野太のぶとい聲である。
解剖室 (旧字旧仮名) / 三島霜川(著)
野太のぶといこえが遠くのように聞えた。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
野太のぶとい声がともにわいたかと思うと、船具の綱でもまとめて、こもをかぶせてあると見えたかたまりが、片手にむしろを払ってむっくりと起きなおった。
丹下左膳:01 乾雲坤竜の巻 (新字新仮名) / 林不忘(著)