大阪へ上陸あがった旅川周馬は、身辺の危険をさとって、わずかな縁故をたよりに、酒井讃岐守さかいさぬきのかみの蔵役人、本田なにがしの屋敷の奥に身をかくまってもらっている。
鳴門秘帖:06 鳴門の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)