過誤かご)” の例文
二は、下鳥羽に帰陣して後も、なお淀城の修築などを命じていたほど——秀吉の進撃に対して時間的な過誤かごを抱いていたことである。
新書太閤記:08 第八分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
古人は過誤かごせずと思い、また漢語で書いたものはみな正しいとすることは、ことに『万葉』から『古今』『後撰』へかけての百年間あまりが危険である。
海上の道 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
きらいで人を判断する過誤かご
自警録 (新字新仮名) / 新渡戸稲造(著)
そして信長のおかした過誤かごへ感情をうごかすには、自分もまた稲の一と穂に過ぎない一臣の気であることがあまりにも分り過ぎていた。
黒田如水 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
……すべてそうした過誤かご歪曲わいきょくを、従来の史からのぞいて、正しきに正す、それが光圀の根本である。わかったか、お身方には
梅里先生行状記 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
丹羽五郎左などは、決して、自分の先見をうぬ惚れて、そんな過誤かごをおかしたわけではなく、むしろ彼の場合は
新書太閤記:11 第十一分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
それよりも大きな過誤かごは、信長から歓心を迎えられて、彼と姻戚いんせきをむすんだことである。
新書太閤記:04 第四分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)