買物かいもの)” の例文
また或時あるとき、市中より何か買物かいものをなしてかえけ、鉛筆えんぴつを借り少時しばらく計算けいさんせらるると思ううち、アヽ面倒めんどうだ面倒だとて鉛筆をなげうち去らる。
どこかへ買物かいものにいってきたものとみえて、かたッぽの手にふろしきをさげている。そのふろしきがほとんど手にあるのを忘れて
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
左樣さやうならとてかしらさげげるに、あれいちやんの現金げんきんな、うおおくりはりませぬとかえ、そんならわたし京町きやうまち買物かいものしましよ、とちよこ/\ばしりに長屋ながや細道ほそみちむに
たけくらべ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
たすきがけのまゝ人に聞き/\近在きんざい買物かいものに駈け歩いて、今日きょう斯様こんな処を歩きました、みょうな処にみせは出してない呉服屋ごふくやがありましたと一々報告した。彼女は忽ち近隣きんりんの人々と懇意こんいになった。
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)