豊々とよとよ)” の例文
それから豊三郎は座蒲団ざぶとんの上へ坐って、しばらく軸と花を眺めていた。その時窓の前の長屋の方で、豊々とよとよと云う声がした。その声が調子と云い、音色ねいろといい、優しい故郷ふるさとの母に少しも違わない。
永日小品 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)