播州の書写山の性空上人しょうくうしょうにんというのが、これも一日一食で九十八まで生きたじゃ。真宗の親鸞上人しんらんしょうにんは九十まで生きたが、これも一日一食。
大菩薩峠:41 椰子林の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
私はあの『歎異抄たんにしょう』に書かれた親鸞上人しんらんしょうにんの言葉を感慨深く想い起す。「善人なおもて往来をとぐ、いわんや悪人をや」と。
工芸の道 (新字新仮名) / 柳宗悦(著)
真の極楽はそんなものでない事を暗にいったものです。親鸞上人しんらんしょうにんは「煩悩ぼんのうの林にいでて神通を現ずる」(遊煩悩林現神通ゆうぼんのうりんげんじんつう
般若心経講義 (新字新仮名) / 高神覚昇(著)
これはまあ思想上の大革命でしょう。親鸞上人しんらんしょうにんに初めから非常な思想があり、非常な力があり、非常な強い根柢こんていのある思想を持たなければ、あれほどの大改革は出来ない。
模倣と独立 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
小石川久堅町こいしかわひさかたまちなる光円寺こうえんじ大銀杏おおいちょう、また麻布善福寺あざぶぜんぷくじにある親鸞上人しんらんしょうにん手植てうえの銀杏と称せられるものの如き、いずれも数百年の老樹である。浅草観音堂あさくさかんのんどうのほとりにも名高い銀杏の樹は二株ふたかぶもある。
親鸞上人しんらんしょうにん。」
その会話の中には親鸞上人しんらんしょうにん蓮如上人れんにょしょうにんという名がたびたび出て来た。十時少し廻った頃、松本は菓子と御布施おふせを僧の前に並べて、もうよろしいから御引取下さいとことわった。
彼岸過迄 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
ことに真宗の親鸞上人しんらんしょうにんなんて、われこそ法然上人の嫡子ちゃくしなり、と名乗りを立てている人をそっちのけにして、にくまれっ児の日蓮上人を養子にしてしまったんでは、名主総代から
大菩薩峠:28 Oceanの巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)