襯衣したぎ)” の例文
之を思ふこと己が身よりも深ければ、たゞ一枚の襯衣したぎをさへ着くるに暇あらざるごとく、導者は忽ち我を抱き —四二
神曲:01 地獄 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
彼女は思はず襯衣したぎの儘、ころぶやうに寝台を這ひ下りると、冷たい敷き石の上にひざまづいて、再生の主と言葉を交した、美しいマグダラのマリアのやうに、熱心な祈祷を捧げ出した。……
南京の基督 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)