衲子のっす)” の例文
「俗は天意にかなはんと思ひ、衲子のっすは仏意に合はんと思ふ。」「身を忘れて道を存する。」畢竟これが——絶対者の意志に合うように「私」を去って行為することが
日本精神史研究 (新字新仮名) / 和辻哲郎(著)
道元はこの物語を結んで言った、「今の衲子のっすもこれほどの心を一度ひとたび発すべきなり。これほどの心一度起さずして仏法悟ることはあるべからざるなり」(随聞記第一)。
日本精神史研究 (新字新仮名) / 和辻哲郎(著)
彼の言うべきことはただ「財欲を捨てよ、衣食に心を煩わすなかれ」の一語につきる。しかも彼はこれを俗人に向かって言うのではない。「学道の人」、「衲子のっす」にのみ言うのである。
日本精神史研究 (新字新仮名) / 和辻哲郎(著)