行商あきない)” の例文
「見るところ、旅摺たびずれした面構つらがまえ、行商あきないも今日やきのうのことではあるまい。およそ侍屋敷などで、針など売れるものか否か、心得ておる筈」
新書太閤記:01 第一分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
ご覧の通り、手前どもの店は、表を張っておりませぬし、薬草は山でつくり、売子は春秋の二回に、仕入れた荷を背負って、諸国へ行商あきないに出てしまいまする。
宮本武蔵:06 空の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
いくさのお蔭で、今年はこれで二度目の行商あきないでさ。百姓衆にはお気の毒だが』
篝火の女 (新字新仮名) / 吉川英治(著)