さゝ)” の例文
まだかまだかとへいまわりを七まわり、欠伸あくびかずきて、はらふとすれど名物めいぶつ首筋くびすぢひたいぎわしたゝかさゝれ、三五らうよわりきるとき美登利みどり立出たちいでゝいざとふに
たけくらべ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
藪蚊と毒虫にさゝれるのでかゆくて堪りませんから、掻きながら様子を立聞をして居ました。
霧陰伊香保湯煙 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
縛られるももと/\覚悟だし、引撲ひっぱたかれて骨がくじけてもいと思って、蚊にさゝれるも毒虫に喰われるも我慢しましたが、蛇が出やアしないかと本当にそればかり心配しましたが
欠伸あくびの數も盡きて、拂ふとすれど名物の蚊に首筋額ぎわしたゝかさゝれ、三五郎弱りきる時、美登利立出でゝいざと言ふに、此方は言葉もなく袖を捉へて驅け出せば、息がはづむ、胸が痛い
たけくらべ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
幸「虻……大層てえそう居るぜ、さゝれると血が出ますからねえ……女中さん何かあるかえ」
霧陰伊香保湯煙 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)