藤野古白ふぢのこはく)” の例文
当年の藤野君をして見せしめば、僕の進歩の長足ちやうそくなるに多少の敬意なきあたはざるべし。ちなみに云ふ、藤野滋君はかの夭折えうせつしたる明治の俳人藤野古白ふぢのこはくの弟なり。
病中雑記 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
僕は以前藤野古白ふぢのこはくの句に「傀儡師くわいらいし日暮れて帰る羅生門らしやうもん」と云ふのを見、「傀儡師」「羅生門」共に僕の小説集の名だから、暗合あんがふの妙に驚いたことがある。然るに今又この暗合に出合つた。
続野人生計事 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)