蔀障子しとみしょうじ)” の例文
春とはいえまだ夜は寒いのに、蔀障子しとみしょうじも開け放されていた。大廂おおびさしからまだ低い宵月が映しこんでいるのに、そこを閉め惜しんでいるかとも思われる。
源頼朝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
入口には、蔀障子しとみしょうじりていて、訪れるにも、ちょっと億劫おっくうなほど、大きな老舗しにせの奥ふかさを持っている。
宮本武蔵:06 空の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
と、やさしい女の声で、灯がついたばかりの店の蔀障子しとみしょうじが開いた。
牢獄の花嫁 (新字新仮名) / 吉川英治(著)