蓉子ようこ)” の例文
そして二人は、その両脇りやうわきに坐りました。蓉子ようこさんは、いつものお母様の場所に、ごはんのおひつを置いて坐り、その側へ耕一君が並びました。
母の日 (新字旧仮名) / 槙本楠郎(著)
女は酒井蓉子ようこという、ある劇団の女優であった。大川のある作品が、この劇団によって脚光を浴びた時、彼は蓉子と相識った。しかし同じ頃、米倉もまた蓉子と知りあった。
黄昏の告白 (新字新仮名) / 浜尾四郎(著)
「ええ。まだおひるすぎですもの。一時ごろになると、純子じゆんこちやんが帰つて来るでせうし、二時ごろに耕一かういちさん、三時ごろに蓉子ようこねえちやんが帰つて来るはずだわ。」
母の日 (新字旧仮名) / 槙本楠郎(著)
午後二時ごろ、尋常六年生の耕一かういち君が帰つて来、それから三十分ほどたつて、女学校二年生の蓉子ようこさんが帰つて来ました。二人とも学校道具の外に、風呂敷包ふろしきづつみをさげてゐました。
母の日 (新字旧仮名) / 槙本楠郎(著)