“蓆掛”の読み方と例文
読み方割合
むしろが100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
奥山には蓆掛むしろがけの見世物小屋がもちろんもうしまったあとでひっそりと並んでいる。小屋の中なら暖かいが、そんな稼業の者の手には渡したくない。
柳橋物語 (新字新仮名) / 山本周五郎(著)
「あの空小屋あきごやも借りるぞ。また蓆掛むしろがけを足すから、この辺にも、ずっと、露店の物売りが並ぶだろう。まあ三日間は、仕事のほうは、休んでくれい」
梅里先生行状記 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
見附みつけのわきまでゆくと、まっ黒に人がたかっていた。蓆掛むしろがけの中に百目蝋燭ひゃくめろうそくの明りがゆらいでいる。太平記読のしわがれた声が内から大勢のあたま越しに聞えてくるのだった。
梅里先生行状記 (新字新仮名) / 吉川英治(著)